参考|厚生労働省『カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル』P26~P28
3 相談体制の整備
企業は、被害を受けた従業員が気軽に相談できる窓口を設置するなど、迅速かつ適切に対応できる社内体制を整備します。
なお、相談窓口は、カスハラのために特別に設ける必要はありません。2020年にパワハラ防止のため設置が義務化されたハラスメント相談窓口で、カスハラの相談もできるように体制を整えておく方法もあります。
また、相談窓口の担当者は、一次対応者として事実関係の把握、被害を受けた従業員への配慮など、慎重な対応が求められます。カスハラに該当するか判断がつかない場合も含めて幅広い相談に応じるためには、相談窓口担当者向けの教育を定期的に行うことも大切です。
4 従業員の教育、研修
顧客等からの迷惑行為や悪質なクレームに対応できるように、従業員への研修や教育を定期的に実施することが重要です。
研修や教育には、以下のような内容を盛り込むことをおすすめします。
・カスハラに関する知識
・カスハラ行為別の対応方法と注意点
・社内ルールや相談窓口などの周知
・記録の作成方法
・ケーススタディ など
5 被害を受けた従業員への配慮
企業は、被害を受けた従業員に対して、従業員の安全確保と精神面への配慮が必要です。たとえば、顧客等が従業員に暴力やセクハラ行為を加えた場合には、顧客等から従業員を引き離し、現場監督者が代わりに対応することで安全を守ります。また、被害を受けた従業員にメンタルヘルス不調の兆候があるときは、専門の医療機関への受診を促すなど、精神面への配慮も求められます。
6 再発防止への取り組み
企業は、ひとつのカスハラ事案の解決後も、継続して同様なカスハラ事案の再発防止に努めることも重要です。そのため、定期的に社内体制や社内ルールの見直しを行い、適切な体制づくりを継続的に行います。
【カスハラ対策チェックシート】
厚生労働省より、「カスタマーハラスメント対策チェックシート」が公開されています。企業用、従業員用の2種類があります。カスハラ対策にご活用ください。
参考|厚生労働省『カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル』P52~P54
なお、2025年6月の法改正における施行日以降、雇用管理上必要な措置を講じることが企業の義務となります。必要な措置は以下のとおりです。具体的な内容を含む指針の公表が、今後予定されています。
・事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
・相談体制の整備・周知
・発生後の迅速かつ適切な対応・抑止のための措置
おわりに
継続的にカスハラ対策に取り組んでいる企業の従業員からは、「カスハラ行為者に対して落ち着いて対応できた」「安心して働けるようになった」などの声も聞かれます。カスハラ対策は、従業員だけでなく企業も守ります。法改正後には、対応すべき措置を講ずることが企業の義務となるため、今から積極的に取り組むことをおすすめします。